英語を話す自分が想像できなかった
「もっと英語ができるようになってから話そう」
昔の私は本気でそう思っていました。
中学生の頃から英語は勉強していましたが、英語を実際に話す機会はほとんどありませんでした。
授業中に英語を発音することはあっても、どこか「英語っぽく発音すると恥ずかしい」という空気もありました。
そのため、英語はテストのために勉強するものであって、誰かと会話するためのものだという感覚はあまりありませんでした。
そもそも、自分が英語で誰かと会話している姿を想像できなかったんです。
そんな私が初めてニュージーランドへ語学留学したのは中学卒業の後でした。
留学前は、
「英語漬けになれば自然と話せるようになるだろう」
と思っていました。
でも現実は全然違いました。

留学直後は頭が真っ白だった
到着してすぐに待っていたのは、英語でコミュニケーションを取らなければならない毎日でした。
ホストファミリーとの会話。
語学学校の先生との会話。
カフェでの注文。
どれも簡単そうに聞こえるかもしれません。
でも当時の私にとっては大きな壁でした。
相手に話しかけようとすると緊張して頭が真っ白になるんです。
何を言えばいいかわからない。
どうやって文章を作ればいいかわからない。
結局、話しかける前に頭の中で何度も英文を作り、何度も練習してからでないと声をかけられませんでした。
今思うと、当時の私は「間違えてはいけない」と思いすぎていたのかもしれません。
ホストシスターとの苦い思い出
特に苦しかったのは、ホストシスターとのコミュニケーションでした。
彼女は私と同い年で、とても自然なスピードで英語を話していました。
でも私にはその英語がほとんど聞き取れませんでした。
何を言われているかわからない。
返事をしようとしても単語しか出てこない。
会話のキャッチボールが続かない。
私はどんどん緊張してしまいました。
そして、
「私と話していてつまらないと思われているんじゃないか」
「イライラさせているんじゃないか」
そんなことばかり考えるようになりました。
実際に不安になりすぎて、ホストマザーの前で泣いてしまったこともあります。
今振り返ると、相手がどう思っているかよりも、自分自身が英語を話せないことに強く落ち込んでいたのだと思います。
英語力は階段のように伸びていった
一方で、少しずつ変化もありました。
毎日ホストファミリーと夕食を食べながら、その日に学校であったことを話していました。
最初はほとんど話せませんでしたが、毎日続けるうちに少しずつ言葉が出るようになっていきました。
リスニングも不思議な感覚でした。
毎日聞いているのに全然聞き取れない時期が続くんです。
ところが、ある日突然、
「あれ?前より聞こえる」
と感じる瞬間がありました。
そしてまた停滞して、また急に伸びる。
私の中では英語力は坂道ではなく、階段を上るように伸びていった感覚があります。
完璧な英語を話している人はいなかった
留学中には世界中から集まった留学生とも出会いました。
そこで驚いたことがあります。
それは、英語を話している人たちが必ずしも完璧な英語を使っているわけではなかったことです。
国によって発音も違います。
話し方も違います。
文法も完璧ではありません。
それでもみんな堂々と英語を使っていました。
そして、ちゃんとコミュニケーションが成立していました。
その姿を見て、私は大きな勘違いをしていたことに気づきました。
英語は完璧になってから使うものではなく、使いながら身につけるものだったんです。
今なら昔の自分にこう伝えたい
もちろん今でも英語で失敗することはあります。
でも、昔ほど失敗を恐れることはなくなりました。
なぜなら、英語はテストではなくコミュニケーションだからです。
大切なのは100点の英語を話すことではありません。
相手に興味を持つこと。
自分から声をかけること。
わからない時は「わからない」と伝えること。
その積み重ねが、本当の意味での英語力につながると思っています。
もし今、英語を話すのが怖い人がいるなら伝えたいことがあります。
完璧な英語を話せるようになる日を待たなくて大丈夫です。
昔の私にも同じことを言いたいです。
「もっと肩の力を抜いていいよ」
「もっと相手に興味を持って話しかけていいよ」
「そんなに緊張しなくて大丈夫だよ」
英語は、間違えない人が上達するのではありません。
間違えながらでも使い続けた人が上達していくものだと、私は留学生活を通して学びました。


