● 「勉強しているのに、英語の点数が上がらない」生徒を見ていて思うこと

「毎日ちゃんと単語をやっています」

「宿題もきちんとしています」

「長文の問題も解いています」

塾で生徒と話していると、こんなふうに教えてくれる子がいます。

もちろん、勉強していないわけではありません。

むしろ、ちゃんと机に向かっているし、宿題も提出している。

それなのに、テストになると、思ったように点数が上がらない。

「こんなに勉強しているのに、どうしてだろう?」

そう感じることもあると思います。

保護者の方からしても、

「家ではちゃんと勉強しているんです」

「毎日英語をやらせています」

という話を聞くことがあります。

そんなとき、私はすぐに「もっと勉強しましょう」とは言わないようにしています。

もちろん、勉強量が必要な場合もあります。

でも、英語の勉強は、ただ時間を増やせばそのまま点数につながるとは限りません。

「どのくらい勉強したか」だけではなく、「何をして、その後どうしたか」まで見てみることが大切だと思っています。

「長文を解いた」だけで終わっていないかな?

例えば、英語の長文問題。

「今日は長文を1題解きました」

これはもちろん立派な勉強です。

でも、そこで丸つけをして、

「3問間違えたな」

「次はもっと頑張ろう」

で終わってしまったら、少しもったいないかもしれません。

大切なのは、その後です。

なぜ間違えたのか。

どこを読んでいるときに分からなくなったのか。

文章の内容をきちんと理解できていたのか。

知らない単語が原因だったのか。

それとも、単語は分かっていたけれど、文章の流れをつかめていなかったのか。

こうやって一つずつ見ていくと、「長文が苦手」という一言の中にも、いろいろな原因があることが分かります。

実際に塾で生徒を見ていて、印象に残っていることがあります。

長文問題に一生懸命取り組んでいるのに、なかなか点数につながらない生徒がいました。

その子の場合、文章の中に知らない単語が出てくると、そこで読むのが止まってしまうことがありました。

知らない単語がある。

↓

「この単語が分からない」

↓

そこで考え込んでしまう。

↓

文章全体を読むことができなくなる。

そんな状態になっていたんです。

でも、私はそれを見て「もっと単語を勉強しないとダメだね」とだけは言いたくありませんでした。

もちろん単語を覚えることも大切です。

でも、英語の長文を読んでいると、知らない単語が一つも出てこないことの方が少ないからです。

英語が得意な人でも、初めて見る単語に出会うことはあります。

だからこそ、

「知らない単語があったら、そこで全部止まらなくても大丈夫」

という経験も必要だと思っています。

分からない単語があっても、まず読み進めてみる

長文を読んでいて知らない単語が出てきたら、もちろん意味を調べることも大切です。

ただ、問題を解いている途中ですべての単語を完璧に理解しようとすると、なかなか先に進めなくなってしまいます。

「この単語が分からないから、文章の意味が分からない」

「この一文が分からないから、もう一度最初から読もう」

そうやって一つ一つに引っかかっていると、文章全体の流れが見えなくなってしまうことがあります。

だから、まずは

「この単語は分からないけど、今のところは読み進めてみよう」

と考えてみる。

前後の文章から何となく意味を想像してみる。

その単語が分からなくても、段落全体として何を言っているのかを考えてみる。

こういう練習も、長文を読む力につながっていくと思います。

最初から上手にできなくても大丈夫です。

むしろ、最初は分からない単語があるたびに止まってしまって当然だと思います。

そこから少しずつ、

「分からないけど、とりあえず先を読んでみよう」

と思えるようになれば、それも一つの成長です。

長文は「解いた後」にもう一度見てほしい

そして、もう一つ大切にしてほしいのが、解き終わった後の復習です。

問題を解いたときに間違えた問題があったら、

「答えはこれだった」

だけで終わらせない。

「どうして私は間違えたんだろう?」

と考えてみてほしいんです。

例えば、

「この単語を知らなかったから」

「文章の途中で意味を取り違えていたから」

「問題文をよく読めていなかったから」

「本文のこの部分を見落としていたから」

など。

同じ「不正解」でも、理由は一人ひとり違います。

だから、間違えた問題をただ解き直すだけではなく、

「自分はどこでつまずいたのか」

を知ることが大切だと思っています。

そして、できれば本文ももう一度読んでみる。

一度問題を解いた後なら、最初に読んだときよりも内容が分かりやすくなっていることがあります。

「この文章はこういう話だったんだ」

「この段落では、このことを説明していたんだ」

と、少しずつ文章全体がつながってくる。

そこで改めて、

「じゃあ、最初に読んだときはどこで分からなくなったんだろう?」

と考えてみる。

こういう復習を繰り返していくと、自分が長文を読むときのクセも少しずつ分かってきます。

「勉強しているのに伸びない」は、努力が足りないとは限らない

私は、英語が苦手な生徒を見るときに、

「もっと頑張らないと」

と簡単に言いたくはありません。

もちろん、努力が必要な場面はあります。

でも、その子がすでに頑張っているのであれば、まずはその頑張りをちゃんと見たいと思っています。

毎日単語をやっている。

宿題をしている。

長文にも取り組んでいる。

それなら、次に考えたいのは、

「その勉強を、どうしたらもっと力につなげられるかな?」

ということです。

勉強時間を1時間から2時間に増やすことだけが方法ではありません。

今まで「長文を1題解いて終わり」だったなら、解いた後に10分だけ復習してみる。

間違えた問題について、「なぜ間違えた?」と一つだけ考えてみる。

知らない単語があっても、一度はそのまま読み進めてみる。

そうやって、今やっている勉強の中身を少し変えてみる。

それだけでも、できることはあると思っています。

すぐに結果が出なくても、焦らなくて大丈夫

今回お話しした生徒も、まだ改善途中です。

「この方法をやったら、すぐに点数が上がりました」

という話ではありません。

でも、私はそれでもいいと思っています。

英語は、一度勉強したら急に全部できるようになるものではないからです。

昨日までできなかったことが、今日少しできるようになる。

昨日は知らない単語が出てくるたびに止まっていたけれど、今日は少しだけ先まで読めた。

間違えた問題を見て、「なんとなく間違えた」ではなく、「ここを読み違えていた」と分かった。

そういう小さな変化も、ちゃんと英語力の一部だと思います。

点数という数字だけを見ていると、

「まだ上がっていない」

「もっと頑張らないと」

と焦ってしまうことがあります。

でも、その途中には、数字にはまだ表れていない変化もたくさんあります。

だから私は、生徒と一緒に、

「何ができなかったのか」

だけではなく、

「前より何ができるようになったのか」

も見ていきたいと思っています。

英語が苦手だからこそ、一緒に考えたい

英語が苦手な子にとって、英語の問題を解くこと自体が、時にはかなり大変なことがあります。

分からない単語がたくさんある。

文章が長い。

問題を解いても間違える。

周りの友達はできているように見える。

そういうことが続くと、

「自分は英語ができない」

と思ってしまうこともあります。

でも、私は「英語が苦手」という言葉だけで、その子の可能性を決めたくありません。

どこでつまずいているのか。

何が分かっていて、何が分からないのか。

今の勉強方法で困っていることはないか。

一つずつ一緒に見ていけば、変えられるところはきっとあります。

勉強方法を少し変えるだけで、今までより英語が読みやすくなることもあります。

「分からないからできない」ではなく、

「今はここが分からない。じゃあ、ここからどうしよう?」

と考えられるようになること。

私は、それが英語を勉強していく上ですごく大切なことだと思っています。

もし今、

「毎日勉強しているのに、なかなか英語の点数が上がらない」

と悩んでいるなら、まずは勉強時間を増やす前に、**今やっている勉強の「その後」**を少しだけ見直してみてください。

長文を解いたら、もう一度本文を読んでみる。

間違えたら、なぜ間違えたのか考えてみる。

知らない単語があっても、まずは読み進めてみる。

いきなり全部を変える必要はありません。

できることを一つずつ。

英語が苦手な子ほど、焦らずに、自分のペースで。

「昨日より少し分かった」

「前より少し読めた」

そんな小さな積み重ねが、いつか大きな自信につながっていくと思っています。

私自身も、生徒たちと一緒にその変化を見つけながら、英語を「できないもの」ではなく、**少しずつ「できるようになっていくもの」**に変えていける先生でありたいと思っています。